在勤拝領之品付(九代武久) その1
くずし字解読
在勤拝領之品附 | 在勤中に拝領した品々の控えです。 |
高見権右衛門武久 | 高見権右衛門武久(九代)。これは、一巻にまとめ上げられた文書を保管するための包み紙です。 |
高見権右衛門武久江追々被下置候御品之扣 | 高見権右衛門武久に時の経過と共に下された諸々の御品の控え。(先頭行) |
文化六年六月四日 | 1809年6月4日 犬追物の競技の折に犬のとらえ方や騎馬射的の技が並外れていたため、報償として戴きました。(25才) |
一 御紋附御上下 一具 | 一 御紋附の裃(かみしも)を一揃え。 |
文化九年八月廿三日 | 1812年8月23日 お城での儀礼の行事に勤めたので、戴きました。(28才) |
一 右同断 一具 | 右と同じ、御紋附の裃を一揃え。 |
文化九年八月廿三日 | 1812年8月23日 同様に戴きました。 |
一 御紋附御帷子 一 | 一 御紋附の帷子(かたびら)を一つ。 |
文化十二年十二月廿八日 | 1815年12月28日 お次の間での働きに対して、内々に戴きました。(31才) |
一 同御上下 一具 | 一 同様に裃を一揃え。 |
文政元年八月 | 1818年8月 養浩院様(第九代熊本藩主細川斉樹の弟君)ご逝去につき、お役を任された人の中から選ばれ、紙面をもって戴きました。(34才) |
一 裏桜御紋附御帷子 一 | 一 裏桜御紋附の帷子を一つ。 |
同年同月 | 同じその日に、 |
一 同 羽二重御袷 一 | 一 同様に裏桜御紋附の、羽二重(はぶたえ)の袷(あわせ)を一つ。 |
同年十二月 | 同じ年の12月 出精相勤につき、戴きました。 |
一 御紋附羽二重御袷 一 | 一 御紋附の羽二重の袷を一つ。 |
同二年十二月十四日 | 1819年の12月14日 出精相勤につき、戴きました。(35才) |
一 御紋附裏附御継上下 一具 | 一 御紋附の裏附の裃を一揃え。 |
同年十二月廿七日 | 同じ年の12月27日 翌日に江戸城に登城するということで、ご意向により、戴きました。 |
一 同繊綿入御熨斗目 一 | 一 御紋付きの細かい綿の入った熨斗目(のしめ)を一つ。 |
同年同月廿八日 | 同じ年の12月27日 この度日光東照宮の改装のお手伝いを行ったため、用番の土井大炊頭(おおいのかみ:土井利厚)が 柳檜の間にて以下の品々を拝領する旨、申し渡された。 |
一 御時服 三 | 一 御時服(じふく)を三つ。江戸幕府から賜る時服は、綿入の小袖でした。 |
一口メモ
九代が在勤中に拝領された控えは、上記の画像の様に1巻の中に細々と記載されておりますが、全16頁で順次紹介してゆきます。この拝領された品々の大部分は系図の中の九代の頁で記載されています。拝領の品々は、定期的に支給される衣装の外にも、様々な物品が含まれていますが、これらは何らかの理由で拝領されたものです。できる限りその理由を日付の欄の中で説明させて戴こうと思います。