江崎彦左衛門先祖 その5

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3020
椽之上ゟ鐵炮を構候者目中ニ乗セ候故先祖其垂木の上から、鉄砲を構えた者が目標を定めていたので、先祖の江崎彦左衛門は、その
者尓椽際迄縋(すがる)向ひ候處鉄炮を抛捨縋入候を者に向かって垂木の際につかまりながら行ったところ、鉄砲を放り捨てて入ったのを
追懸候得共椽其外座上迄歩行不成様ニ拵置追いかけましたが、垂木に捕まりながら、(敵が)集まっている所まで歩かせないように、囲って
殊ニ火遠懸介候ニ付煙強ク難見分漸々慕入候とりわけ火の手があがっていたので、煙が強く見分けができず、少しずつ日暮れになってきたので、
内弥兵衛方より権右衛門又七郎と聲を懸候ニ付其場弥五兵衛の方から権右衛門、又七郎と声をかけたので、その場所
江打向候へハ弥兵衛兄弟火中ニ縋入候を先祖へ向かうと、弥五兵衛兄弟が火の中にすがり入ったのを、先祖の江崎彦左衛門は、
慕入候へ共右兄弟ハ罷出候處迄足留メを抜置後を追って入ったところ、阿部兄弟が出てくるところまで、足留めをすることなく
火中ニ馳入候節踏候然躰ニて歩行弥以難成住所火の中に馳せ入った時に、このような体では歩行すら困難なので、どこにいるのか、その場所が
存不申候処権右衛門聲ニて九郎兵衛早引取可申由ニ付判らず権右衛門は声を出して、九郎兵衛よ早く引き返せと言った由で
権右衛門又七郎一同ニ引退キ申候左候而其場之趣権右衛門と又七郎も一緒に引き退こうと、その様にして、その場のありさま

一口メモ

この場面での阿部兄弟は、先の光尚君御家譜抜書の冒頭に書かれている通り、次男阿部弥五兵衛、三男市太夫、四男五太夫、5男七之丞ですが、この原文では次男は「弥兵衛」と書かれています。阿部茶事談などの書籍を通しても「弥五兵衛」が正しいので、ここでは「弥五兵衛」と、書き改めています。

又、9行目に「九郎兵衛」が登場しますが、これも明らかに主役である「江崎彦左衛門」を指しています。「先祖」という言葉でも「江崎彦左衛門」を指していますが、これは「江崎九郎兵衛」は、事件後に「江崎彦左衛門」に改名されていたための混乱と思われます(頁6)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です