江崎彦左衛門先祖 その4
くずし字解読
又七郎屋敷より乗込候節者権右衛門又七郎者表向 | 又七郎の屋敷から乗り込んだ折には、権右衛門も又七郎も正面 |
より相懸り被申し候尤権右衛門組十一人又七郎并家来 | から攻めました。もっとも、権右衛門組は11名、又七郎とその家来 |
共大勢之内先祖彦左衛門儀権右衛門懸り場より | 達大勢の人の中で、先祖の彦左衛門は、権右衛門の持ち場から |
一番ニ乘込申候処路地之土戸稠敷堅メ有之候を | 真っ先に乘り込んだところ、路地に漆喰を塗った引き戸がしっかりと敷き詰めていたのを |
先祖打破り候処門より青貝柄之鑓ニて左之肩先 | 先祖の彦左衛門は、これを打ち破ったところ、門から(敵が)螺鈿造りの柄の槍で、左の肩先 |
尓突懸り候を三尺際より引折左ニ持刀を堤其口より | に突きかかったのを、先端から三尺程の所から引き折って、左に持っていた刀を包み込み、その入口より |
込入候得者権右衛門又七郎両人も同前ニ込入被申候処 | 突っ込めば、権右衛門、又七郎両人も同じ様に突っ込んだところ、 |
先祖左右尓刀鑓を持居候ニ付支ニ成候と被存候哉 | 先祖の彦左衛門は、左右の手に刀や槍を持っていたので、支援しましょうと言いました。 |
其節先祖名九郎兵衛と申候ニ付九郎兵衛働権右衛門 | その折、先祖の名前は九郎兵衛と言ったので、九郎兵衛の働きを権右衛門は |
見届候条鑓ハ捨候へと被申候ニ付捨候而入込候處 | 見届け、槍は捨てなさいと言ったので、彦左衛門は槍を捨てて、入り込んだところ |
一口メモ
いよいよ、臨場感あふれた争いの場面にさしかかり、彦左衛門の働きが描写されています。