十代 高見権右衛門武棟 (6)
同三月廿八日江戸へ着同年七月四日 勇姫様御婚禮御用懸被 仰付候同年
十二月来年御帰國之御供被 仰付候同年同月十五日 勇姫様御婚禮
御用懸相勤今度御引越茂被為濟候ニ付被遊御祝御紋附御上下一具同
御小袖壱ツ被下置候同三年二月十五日當年御帰國之御供被 仰付同
五月十八日御供ニ而江戸被差立同六月廿六日御國許へ着同年九月廿
七日来年御参勤之御供被 仰付同四年三月十五日御發駕御供
ニ而出立同四月十九日江戸着同五年二月十八日當年直ニ詰越被 仰付
くずし字解読
勇姫様御婚禮御用懸被 仰付候(ゆうひめさま、ごこんれい、ごようがけ、おおせつけられそうろう)。勇姫様の婚礼の御用掛を仰せ付けられた。
来年御帰國之御供(らいねん、ごきこくの、おとも)。来年、熊本に帰国されるのに、そのお供を(命じられ)。
御用懸相勤今度御引越茂(ごようがけ、あいつとめ、このたび、おひっこしも)。ご用係を勤めて、今度お引っ越しも。
御小袖壱ツ被下置候(おんこそで、ひとつ、くだしおかれ、そうろう)。小袖を一つ戴いた。
御供ニ而江戸被差立(おともにて、えど、さしたたれ)。お供として江戸を出発され。
来年御参勤之御供(らいねん、ごさんきんの、おとも)。来年の参勤交代のお供。
當年直ニ詰越被 仰付(とうねん、ただちに、つめこし、おおせつけられ)。今年は江戸に到着後直ちに、(江戸で)越年することを命じられた。