夢ものがたり その5

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #5013-2
安く過し天よと、教乎のこし給ふ安く過してよと、教をのこし給ふ
大慈大悲の心こそ末ことの夢を大慈大悲の心こそまことの夢を
志里給へるこそたふと可李しり給へるこそたふとかり
氣連。けれ。
 花も美知ゆ幾母 花もみちゆきも
 きえ天盤るおとも那し きえてはるおともなし
 何可常なる世の中 何か常なる世の中
 能こ登。 のごと。

2行目、「大慈大悲」=仏の限りなく大きな慈しみのこと。 5行目、「みちゆき(道行き)」=物事のいきさつ。 6行目、 「はるおともなし(霽る音もなし)」=いやな気分がなくなってすっきりすることもなく(?)。

【意訳】

心安らかに過ごしなさいと、教義を残された。仏様の限りなく大きな慈しみの心こそ、本来の夢をお知りになっていること、そのものが尊いものだなあ。自然の美しい花も、そのいきさつも消えてしまって、すっきりすることもない。何か日常のありようのようだ。(以上は、意訳の自信がありません)。

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