伊勢参宮日記 その15

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #5018-1
帰路、中野義宣ニ、途中ニ逢、同行。中野家ニ帰り路に中野義宣に、ばったり会い、一緒に中野家に
行、一酌春。此人宮中奉任セし、同勤奈禮盤行き、酒を酌み交わした。この人は宮中に勤めていたときの同僚で、
久し振の面話。昔日の感深し。晩酌の後帰宿。久し振りに面談し、なつかしい思いがこみ上げてきた。晩酌の後に宿に帰った。
廿四日晴。午前、古荘、児玉、宮地、小山田に暇乞の多め     24日晴れ。午前中、古荘(嘉門)、児玉(天雨)、宮地、小山田に別れを告げるため
訪問春。帰途、市中ニ而土産を求む。松田関次を訪訪問した。帰途、街中で土産を買った。松田関次を訪ね
一酌。猶、古荘ニ立寄。高橋、守田、浅井と一酌後一献交わした。更に、古荘(嘉門)宅にに立ち寄り、高橋(泥舟)、守田、浅井と酒を飲んだ後
午后八時帰宿。午後8時に宿に帰った。
廿五日晴。午后、長岡様、高田様、御暇乞ニ出頭春。25日晴れ。午後に長岡様、高田様の所に、別れの挨拶のために出向いた。
帰途、琳琅閣に抵り、書物代を拂ふ。黄邨、高田と帰り途、琳琅閣に立ち寄り、書物代を払った。黄邨(向山黄村)、高田と

この辺りから、1月28日に東京を去るために、多くの人々と別れの挨拶に出向くようになります。これまで東京滞在中は、実に多くの人々と精力的に面談してきましたが、その内容を推量しますと、先ず、大神宮関連、幕末の三舟、官僚・政治家、文化人(儒学者、漢学者、書家、宗教家)、宮内省関係、等々ですが、特に時期的に見て、熊本国権党の創立の前年であることから、筆者は古荘嘉門との接触は、この旅行の主目的の一つであったと思えてなりません。1月8日から27日まで、実に7回も面談しています。

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