当家に関わる諸控 その25
くずし字解読
圖 指物 | 図形 指物(さしもの) |
昇之紋 | 昇(のぼり=幟旗)に書かれる紋 |
幕之紋 | 幕(まく=陣幕)に書かれる紋 |
陣笠之紋 | 陣笠(じんがさ)に書かれる紋 |
丸に小 法被之紋 | 丸に小 法被(はっぴ)に書かれる紋 |
家来番差物之紋 | 見張り番の家来が持つ旗指物に書かれる紋 |
右五品共ニ同紋ニて御座候 | これらの五つの品物は、何れも同じ紋の「丸に小」であります。 |
年号月 何之何某 | 元号年月 何の誰それ |
何之何某殿 | 誰それ殿 |
吉凶知せ向之扣 | 目出度いこと及び不吉な知らせを伝えるべき人物の控え |
右城邊 | 熊本城の右側の辺り。 |
續 少助 松井典礼 朽木内匠 | 續 少助(千六百石) 松井典礼(三千八百石) 朽木内匠(二千七百石) |
堀 丹右衛門 | 堀 丹右衛門(三千五百石) |
高麗門 | 高麗門(熊本市中央区新町) |
柏原次朗四郎 | 柏原次朗四郎(新知五百石) |
宮内 | 宮内(熊本市中央区宮内) |
茂見捴兵衛 | 茂見捴兵衛(百石) |
一口メモ
上記の一行目に「指物(さしもの)」とありますが、これは武士が戦場で目印のため、鎧の背などにさしたり、従者に持たせたりした小旗や飾り物のことを言います。
ここでは、5つの指物が列記されていますが、何れも「丸に小」の紋が使われています。この「小」は当家初代の高見勝五郎重治の「勝」にちなんだものと推察できます。
10行目から「吉凶知せ向之扣」と題して,地区ごとに人名が記入されています。最初の「右城邊」は、場内に位置しているものと思われます。4名とも家老級の重要人物の様です。屋敷が藩主の住まいに近いほど位が高いということになります。