当家に関わる諸控 その25

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3022
     圖           指物     図形         指物(さしもの)
                  昇之紋                  昇(のぼり=幟旗)に書かれる紋
                  幕之紋                  幕(まく=陣幕)に書かれる紋
                  陣笠之紋                  陣笠(じんがさ)に書かれる紋
     丸に小          法被之紋     丸に小          法被(はっぴ)に書かれる紋
                  家来番差物之紋                  見張り番の家来が持つ旗指物に書かれる紋
右五品共ニ同紋ニて御座候これらの五つの品物は、何れも同じ紋の「丸に小」であります。
 年号月           何之何某 元号年月           何の誰それ
    何之何某殿    誰それ殿
吉凶知せ向之扣目出度いこと及び不吉な知らせを伝えるべき人物の控え
    右城邊   熊本城の右側の辺り。
 續 少助   松井典礼   朽木内匠 續 少助(千六百石)   松井典礼(三千八百石)   朽木内匠(二千七百石)
 堀 丹右衛門 堀 丹右衛門(三千五百石)
   高麗門   高麗門(熊本市中央区新町)
 柏原次朗四郎 柏原次朗四郎(新知五百石)
   宮内   宮内(熊本市中央区宮内)
 茂見捴兵衛 茂見捴兵衛(百石)

上記の一行目に「指物(さしもの)」とありますが、これは武士が戦場で目印のため、鎧の背などにさしたり、従者に持たせたりした小旗や飾り物のことを言います。

ここでは、5つの指物が列記されていますが、何れも「丸に小」の紋が使われています。この「小」は当家初代の高見勝五郎重治の「勝」にちなんだものと推察できます。

10行目から「吉凶知せ向之扣」と題して,地区ごとに人名が記入されています。最初の「右城邊」は、場内に位置しているものと思われます。4名とも家老級の重要人物の様です。屋敷が藩主の住まいに近いほど位が高いということになります。

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