当家に関わる諸控 その22
くずし字解読
何之何某殿 | 誰それ様 |
御奉公附 | 役儀・勤務に関係する記録 |
私儀何年何月何某江被下置候<跡目之節ハ印之処ニ跡目之御知行と認候事> | 私は何年何月誰それへ下された<跡目相続の時は印のところに「跡目之御知行」と確認すること> |
御知行家屋敷無相違 | 知行・家・屋敷共に間違いなく |
被為拝領何ニ被 仰付御組ニ被 召加候 | 拝領なされ、どんな仕事を命じられ、どの組に召し加えられました。 |
一 當年何十何歳ニ罷成申候 | 一 今年で何十何歳になりました。 |
右之通御座候以上 | 右の通りでございます。 以上。 |
年号月 何之何某 判 | 和暦年号、月 何の誰それ 認判 |
何之何某殿 | 誰それ様 |
覚 | 覚 |
切支丹宗門之儀 従前ゝ無懈怠相改申候先年従 | 切支丹の宗門につきましては、前々から怠りなく調査・確認をしています。先年 |
公義被 仰出候御法度書之趣奉得其意弥以私 | お役所より命じられました御法度書の趣旨を理解し、益々もって私の |
家内○末ゝ男女至迄堅相改申候處不審成者無御座候 | 家族親類はことごとく末々の男女に至るまで、しっかりと調査申し上げたところ、不審な人はおりませんでした。 |
尤毎藏判形取置申候若相替儀御座候者急度可申上候 | 特に、それぞれ所有している判形(はんぎょう=書き判)を残しておきます。若し、変更があった場合は確実にご報告致します。 |
為其如斯御座候 以上 | そのため、このように確認します。 以上。 |
年号月 何之何某 | 元号何年何月 何の誰それ |
何之何某殿 | 誰それ様 |
従類附 | 従類附(当家一族・家来の記録) |
一口メモ
12行目の「御法度書」とは、藩政の基本理念に基づく諸制度の規定や政治、教育、風俗習慣等にまで亘る詳細な記述書のことです。
これまでに、役所へ提出された報告書は全部で5種類ありました。それは、「御奉公附」(勤務内容の記録)、「稽古附」(武芸に関する修行の記録)、「従類附」(一族・家来の記録)、「先祖附」(初代から続く家系の記録)、「親類縁者附」(親類・縁続きの人の記録)です。
最終行の「従類附」は次頁に続きます。