当家に関わる諸控 その19

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3022

くずし字解読

一 何藝、何年何月、何之何某、門弟ニ罷成、何年何月ゟ出榭一 どんな芸を、何年何月に誰それの門弟になり、何年何月から稽古に通いました。
  何年何月、相傳、當時稽古、有無  何年何月に、代々受け継がれた術の稽古があったかどうか。
一 何藝、右断、何年何月、被賞、御本令之趣、記ス一 右と同じく、どんな芸を何年何月に賞を戴いた立派な趣旨を記入すること(?)。
  右之通、御座候、以上  右の通りでございます。以上。
          親類之内ゟ、相達候          親類のなかから達成されました。
    月附      名    何月を以て      名前
  家督後、相達候袋物之稜、并、文案荒増  家督を相続した後に達成した袋物の形式(?)、並びに大まかな文案(は次の通り)。
    先祖附    先祖附 (せんぞづけ=細川家家臣の初代からの由来)。
    御奉公附    御奉公附(ごほうこうづけ=細川家家臣の一代についての軍役や職務内容)。
    宗門誓詞、書物    宗門誓詞書物(しゅうもんせいしかきもの=宗門に関する誓いの言葉の記述)。
    宗門覚書    宗門覚書(しゅうもんおぼえがき=自分の宗教に関する事項を思いつくままに書き綴ったもの)。
    兜立物、幕之紋附    兜立物幕之紋附(かぶとたてもの=兜の鉢につける飾り金具)や幕に使われる家紋の説明)。
    従類附    従類附(じゅうるいづけ=一族・家来に関する記述書)。
    親類縁者附    親類縁者附(しんるいえんじゃづけ=血筋や縁組みでつながっている人々の記述書)。
  右之通、袋之上書致候節之由、尤稜々之順ハ頭之物書  右の通りに封書に上書きをするときの理由をもって、堂々とその順は先頭の書物
  まて、間合認候、方可然欤  まで隔たりを認めるのは、しかるべきか。(?)
   右之外ニ、稽古附、半切ニ認、袋物之袋ニ入、相達候由   このほかに稽古附は半切(はんせつ=全紙を縦半分に切った和紙)を準備し、袋物の袋に入れて完成すること。
      半切、折懸、〆上書、覚      半切に折り曲げて〆印を上書する覚え

一口メモ

冒頭は、稽古附の内容の確認です。芸の種類には、剣術、槍術、射術等があります。

「出榭」とは、ここでは道場に通うという意味です。

上記では、相続後の詳細説明として、7種類の報告書が提出されたようです。これらは、熊本藩独自の制度のようです。

当家には、九代が死亡した直後の天保11年(1840)12月23日に提出された先祖附の控えと、明治3年(1870)に十二代が提出した先祖附が現存されています。

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