当家に関わる諸控 その18
くずし字解読
右之通御座候以上 親類之内ゟ相達候 | 右の通りでございます。以上。 親類の内から届けられました。 |
年号月 名 | 和暦何年何月 名前 |
従類附半切折懸包 上包 何之何某従類附 | 従類附は、 半切の折懸包で、上包には「誰それの従類附」と記すこと。 |
何之何某従類附 | 誰それの従類附 |
一 従類何人 何某<嫡子 養子> | 一 従類は何人です。 誰それ<嫡子、または養子> |
内 | 内 |
一人 何之何某 | 一人 誰それ本人 |
一人 同人 妻又ハ兄弟 | 一人 本人の妻、または兄弟 |
一人 同 何 | 一人 同じく 本人の何に当たる |
右之通御座候以上 親類内ゟ相達候 | 右の通りでございます。以上。 親類の内から届けられました。 |
月附 名 | 和暦何年何月 名前 |
相続致候者之稽古附 半切折懸包 | 相続する者の稽古附は、 半切の折懸包(で提出) |
覚 | 覚 |
何之何某<嫡子 養子> | 誰それ<嫡子 養子> |
何之何某 | 誰それ |
當年何十何歳 | 今年で年何十何歳になります。 |
右何某儀何年何月 | この誰それは何年何月に |
御目見申上候□無足ニ而御雇等ニ 被召仕候ハゝ□印之処ニ | 御目見を申し上げ、□無足の立場で雇用等に召し使えられれば)□印のところに |
引續認メ候事 | 「引き続き認めます」と置き換えること。 |
一口メモ
上記3行目に「従類」とありますが、これは一族・家来の総称です。 熊本藩では、一族の構成を報告するための「従類附」の提出が義務づけられていたようです。
又、終わりから2行目の「無足(むそく)」とは、主君に奉公している武士でありながら、御恩としての領地を与えられていないこと、知行地を持たないこと、およびそのような人を指す言葉です。 この場合、足とは「料足・報酬」を意味するため、「無足」は「知行の料足がない」ということです。
「無足」、残酷ですね。「お足」のない人たちはどうやって日々の糧を得ていたのでしょうか。
ご心配なく。無足の対象は、あくまでも御目見をした人間です。通常は元服の折では、未だ碌を頂いていない立場ですので、当然のことだと思います。親がしっかりと面倒を見ているのですから。