当家に関わる諸控 その16

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3022

くずし字解読

  病死之節ハ  病死した場合は、
     何之何某儀當何月何日何十何歳ニ而病死       誰それは、今年の何月何日何十何歳で病死
     仕候ニ付御知行上目録     しましたので、知行に関する目録(を作成します)。
  口者上書之通ニ相認候ニ付略ス  (口頭での)言葉は、表書きの通りなので省略します。
 現高何拾何石何斗何升何合何勺何才 現在の額は、何拾何石何斗何升何合何勺何才です。
一 高何拾何石何斗何升何合         一 このうち、高何十何石何斗何升何合については、何郡の内の何村です。          
 同 同じく、現在の額は、現高何拾何石何斗何升何合何勺何才です。
一 同一 同じく、(高何拾何石何斗何升何合については、何郡の内の何村です。)
  右之通御座候以上     親類之内ゟ相達候  右記の通りでございます。以上。     親類の内から届きました。
    年号月           名    和暦何年何月           何名
  家屋敷上目録右同断 上書中共ニ認様同断  家、屋敷の目録は右に同じです。 上書と中身の内容は、いずれも同様にしたためる(文章を書く)こと。
    中上書之通    中身は上書の通り。
一 屋敷口何拾何間入何様何間一 屋敷の間口の広さは、何拾何間。 奥行きは、どんな様子で、何間あります。
一 鎮守堂 但何尺梁ニ何尺    壱ヶ所一 鎮守堂(住宅を疫災から守護する神のための堂) 但し何尺の大きさで、梁は何尺の長さ    1カ所
一 本家何間梁ニ何間       貫家一 住宅は何部屋あり、梁に何間の長さの木材を使用。       貫(ぬき=柱間を結ぶ水平材)を使った家です。
   但内 何間梁ニ何間   天井付   但し、このうち何部屋、梁に何間が、天井付です。
   右同断         ニ階付   右に同じく(このうち何部屋、梁に何間が、)ニ階付きです。
   瓦   瓦について
   竹瓦下屋        何ヶ所   竹瓦の下屋(げや)は、        何ヶ所です。
一 立具           何枚 <七拾七枚>  一 建具は、             何枚<77枚>

一口メモ

武家屋敷の土地は、藩から借り受けている物で、家屋は自分の費用で建築するのが基本です。従って相続の場合は、上記の通り厳格にその内容を明確にする必要があります。12行目に「家屋敷」と、表示されていますが、正に「家」は家屋、「屋敷」はその敷地に当たります。

その報告は、屋敷の間口(正面の幅)と奥行きの長さ、及び敷地内の鎮守堂や本宅、下屋(げや=母屋の屋根より一段下げた位置に取り付けられた片屋根、またはその下にある空間のこと)から、立具(たてぐ=建具。 戸、障子、襖など、屋内に取りつけて開閉や取りはずしが自由にできる可動性の、部屋をしきるものの総称)の内容に続きます。

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