当家に関わる諸控 その13
くずし字解読
一 増奉公壱人 何郡何手永何村之者 何某 | 一 雇用の増員1名 何郡の何手永の何村の人 だれそれ |
同郡同手永同村之者請人 同 | 同郡の同手永の同村の人の請人 同じくだれそれ |
右同断 同 | 右に同じ 同じくだれそれ |
右之者當二月ゟ召抱申度奉存候、此段御達可被下候 | 右の人は今年の二月から雇用したく思います、ついては命令を戴きたく思います。 |
以上 | 以上 |
年号二月 高見権右衛門 判 | 和暦何年2月 高見権右衛門 判 |
人置所 | 人置所宛て |
段差出之扣 | 提出の控え |
竪紙 差出 | 竪紙の形式で呈出のこと |
一 増奉公人壱人 何郡何手永何村之者 何某 | 一 雇用の増員1名 何郡の何手永の何村の人 だれそれ |
同断 請人 何某 | 同じく何村の 請人 だれそろ |
同断 請人 何某 | 同じく 請人 だれそれ |
右者去二月ゟ當二月迄之約束ニ而召抱置申候、今日暇遣 | これは、昨年2月から本年2月迄の約束で雇用しました。 今日解雇するに |
申候間、此段為御答如斯御座候 以上 | 当たって、今回この通り報告します。 以上 |
年号二月 高見権右衛門 判 | 和暦何年2月 高見権右衛門 判 |
人置所 | 人置所宛て |
竪紙 差出 | 竪紙の形式で呈出のこと |
一 家内男子 何人 | 一 家内の男子は 何名 |
内 壱人 自身 | その内一人は本人です。 |
一口メモ
上記に「請人」とありますが、これは身元保証人で、ここでは2名の連帯保証となっています。雇用が採用された人は、村人で同じ村の人が保証しています。
奉公、即ち武家の従者は、主に譜代奉公と年季奉公に大別されますが、上記の例では13ヶ月の年季奉公となっています。恐らく知行地から採用された「小者(こもの)の類と思われますが、これは、私的武家奉公人で、住み込みで主に雑用を行い、小人(こびと)、下男(げなん)などと呼ばれていたようです。