当家に関わる諸控 その11

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3022

くずし字解読

以上以上の通りです。
  年号月          高見権右衛門 判  和暦何年何月          高見権右衛門 判
   類族御改所   類族御改所に提出
 但 隠居有之節ハ私隠居處内ハ不及申ト認候事 但し、一族に隠居した者がいたときは、「私隠居の内は申すに及ばず(言うまでもなく)」と確認すること。
   差出   差し出し
知行高千石知行されている高は、1,000千石
高七拾弐石之内           知行所知行高72石の内           知行している土地
一 米何拾何石            何手永何村一 米は、何10何石            何手永の何村
   當八月ゟ来七月迄   今年の8月から来年の7月迄
   御扶持方   扶持方へ
  年号月             高見権右衛門 印  和暦何年何月           高見権右衛門 印
   御勘定所   勘定所へ
   差出   差し出し
知行高千石知行されている高は、1,000千石
高六石之内             知行所高6石の内             知行している土地
一 大豆何石何斗           何手永何村一 大豆は、何石何斗           何手永の何村
   但 御惣庄屋問合候処拂方支不申候   但し、 惣庄屋に問い合わせたところ、支払人の手助けはしないと言われた。
   年 号 月          高見権右衛門 印   和暦何年何月           高見権右衛門 印
    御勘定所    勘定所へ

一口メモ

上記文中に、「類族御改所」とありますが、これは前頁から続く「宗門覚書」に関連して、その覚書を提出する先です。島原の乱以降、キリシタン棄教者の子孫を監視する類属制度が確立し、類族(キリシタン宗を信奉した者の一族7世までをいう語)が徹底的に管理されました。その中枢が「類族御改所」と言うことになると思います。

また、「知行所」とは、知行している土地。支配している土地。「御扶持方」とは、扶持(俸禄を与えること)をつかさどる職。「勘定所」は、財政や民政を担当する役所。いずれも支配機構の名称です。

「惣庄屋」とは、地方行政にあたった村役人の最上位。十数か村をまとめて支配し、領主からの法令の伝達、年貢諸役の割付、管内村々の争い事の調整にあたりました。

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