当家に関わる諸控 その11
くずし字解読
以上 | 以上の通りです。 |
年号月 高見権右衛門 判 | 和暦何年何月 高見権右衛門 判 |
類族御改所 | 類族御改所に提出 |
但 隠居有之節ハ私隠居處内ハ不及申ト認候事 | 但し、一族に隠居した者がいたときは、「私隠居の内は申すに及ばず(言うまでもなく)」と確認すること。 |
差出 | 差し出し |
知行高千石 | 知行されている高は、1,000千石 |
高七拾弐石之内 知行所 | 知行高72石の内 知行している土地 |
一 米何拾何石 何手永何村 | 一 米は、何10何石 何手永の何村 |
當八月ゟ来七月迄 | 今年の8月から来年の7月迄 |
御扶持方 | 扶持方へ |
年号月 高見権右衛門 印 | 和暦何年何月 高見権右衛門 印 |
御勘定所 | 勘定所へ |
差出 | 差し出し |
知行高千石 | 知行されている高は、1,000千石 |
高六石之内 知行所 | 高6石の内 知行している土地 |
一 大豆何石何斗 何手永何村 | 一 大豆は、何石何斗 何手永の何村 |
但 御惣庄屋問合候処拂方支不申候 | 但し、 惣庄屋に問い合わせたところ、支払人の手助けはしないと言われた。 |
年 号 月 高見権右衛門 印 | 和暦何年何月 高見権右衛門 印 |
御勘定所 | 勘定所へ |
一口メモ
上記文中に、「類族御改所」とありますが、これは前頁から続く「宗門覚書」に関連して、その覚書を提出する先です。島原の乱以降、キリシタン棄教者の子孫を監視する類属制度が確立し、類族(キリシタン宗を信奉した者の一族7世までをいう語)が徹底的に管理されました。その中枢が「類族御改所」と言うことになると思います。
また、「知行所」とは、知行している土地。支配している土地。「御扶持方」とは、扶持(俸禄を与えること)をつかさどる職。「勘定所」は、財政や民政を担当する役所。いずれも支配機構の名称です。
「惣庄屋」とは、地方行政にあたった村役人の最上位。十数か村をまとめて支配し、領主からの法令の伝達、年貢諸役の割付、管内村々の争い事の調整にあたりました。