当家に関わる諸控 その6
くずし字解読
知行所ゟ年中拂物之扣 | 知行している土地(領地)からの年内の払い物の控え |
大田黒村 | 大田黒村(おおたぐろむら=熊本県玉名郡三加和町大田黒村) |
一 門松弐結 立添木共 小原村と一年越拂来候事 | 一 門松 2基 立ち添木共に 小原村と一年越での支払いであること.。 |
一 莚 拾枚 一 釣瓶縄 六筋 | 一 莚(むしろ)10枚 一 釣瓶(つるべ)の縄 6本 |
一 もつこ 弐ツ 一 餅米 壱斗弐升 | 一 もつこ ふたつ 一 もち米 1斗2升 |
一 縄 壱束 一 根引松 弐拾本 | 一 縄(なわ) 一束(たば) 一 根引松 20本 |
一 杵 六本 一 白箸 拾六束 | 一 杵(きね) 6本 一 白箸(しらはし) 16束 |
一 藁 三拾頭 一 たちはな | 一 藁(わら) 30束 一 たちばな |
一 夫銀 三拾三匁 以上暮 | 一 夫銀 33匁 以上。 暮分 |
一口メモ
「拂物(払い物)」とは、一般的に不用となって売り払う物の意味で、ここでは知行している土地(領地)内の農民から買い取った物品(商品)の意味と思われます。農民にとっては、貴重な現金収入と言えます。
門松は、通常左右2本で、ひと門(ひとかど)、一対(いっつい)、一揃い(ひとそろい)などど呼ばれますが、「弐結」は、一対と思われます。
根引松(ねびきまつ)とは、一尺あまりの根付きの若松に、半紙と水引で巻いたとてもシンプルな松飾りのこと。
白箸とは、白木の箸。木地のままで、漆などで色の塗ってない箸のことです。
夫銀とは、領地から賦役(ぶやく=労働で納める課役)の代わりとして納められた金銭のことです。