当家に関わる諸控 その6

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #13022

くずし字解読

    知行所ゟ年中拂物之扣    知行している土地(領地)からの年内の払い物の控え
  大田黒村  大田黒村(おおたぐろむら=熊本県玉名郡三加和町大田黒村)
一 門松弐結 立添木共  小原村と一年越拂来候事一 門松 2基 立ち添木共に  小原村と一年越での支払いであること.。
   一 莚   拾枚  一 釣瓶縄  六筋   一 莚(むしろ)10枚  一 釣瓶(つるべ)の縄  6本
   一 もつこ 弐ツ  一 餅米   壱斗弐升   一 もつこ ふたつ    一 もち米   1斗2升
   一 縄   壱束  一 根引松  弐拾本   一 縄(なわ)   一束(たば)  一 根引松  20本
   一 杵   六本  一 白箸   拾六束   一 杵(きね)   6本  一 白箸(しらはし)  16束
   一 藁   三拾頭 一 たちはな   一 藁(わら)   30束   一 たちばな
   一 夫銀  三拾三匁 以上暮   一 夫銀  33匁 以上。 暮分

一口メモ

「拂物(払い物)」とは、一般的に不用となって売り払う物の意味で、ここでは知行している土地(領地)内の農民から買い取った物品(商品)の意味と思われます。農民にとっては、貴重な現金収入と言えます。

門松は、通常左右2本で、ひと門(ひとかど)、一対(いっつい)、一揃い(ひとそろい)などど呼ばれますが、「弐結」は、一対と思われます。

根引松(ねびきまつ)とは、一尺あまりの根付きの若松に、半紙と水引で巻いたとてもシンプルな松飾りのこと。

白箸とは、白木の箸。木地のままで、漆などで色の塗ってない箸のことです。

夫銀とは、領地から賦役(ぶやく=労働で納める課役)の代わりとして納められた金銭のことです。

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