当家に関わる諸控 その2

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3022

くずし字解読

<何某殿、何某殿>被存寄無御座候ハゞ願書差出可申候此段可然<誰それ殿、誰それ殿>差出先が不明の場合は、願書を差し出すこと。このとき、しかるべき
様奉頼候以上お願いを伝えること。 以上。
  月     名  月     名
 右本達之扣 右は、このお達しの控えです。
中折竪紙同紙折懸包中折りの縦紙で、同じ紙による折懸包とする。
   口上之覚   口頭で伝えるときの内容の覚え書き
私儀当年何十何歳罷成申候病気ニ罷成私は、今年何十何歳になります。病気になってしまい
御奉公難相勤躰ニ御座候<嫡子、養子>何之何某儀何十何歳ご奉公が難しくなってしまった体になりました。<嫡子または養子>何の誰それ、何十何歳
罷成申候何年何月になりました。何年何月に
御目見仕候此者被召仕被下候様奉願候 以上お目見えをしましたこの者が、召し仕われる様お願い申し上げます。 以上
   年号月     名判   年、元号、月     名前と、はんこ
   頭當り殿   首領見当の人殿
御奉公附ご奉公の書き付け
<嫡子、養子>稽古附<嫡子または養子>稽古附
右御奉公御断之節相達候稜々之扣右のご奉公お断りの時のお達しの、かどかど(いろいろ)の控え

一口メモ

上記は、勤務が不能になった折のお断りを書状で提出る場合や口頭でお断りをする時の定型の言い回しや文書のようです。書状は、使用する和紙のサイズや包装の仕方などが決められていたようです。お願いする相手先も間違いのないように気遣う必要があったようです。

終わりから2行目に「稽古附」とありますが、これは諸芸に励んだ経歴書で、当家十代が提出した「稽古附」を参考にして下さい。

当家に関わる諸控 その2” に対して6件のコメントがあります。

  1. サトウケイコ より:

    はいけんいたしました。
    最終行、
    相達候後々之扣→相達候稜々(=かどかど)之扣
    と、読めるようです。
    意味は、「お達しの、いろいろの扣(=控え)」。

    如何でしょうか。

    1. 高見洋三 より:

      サトウケイコ様
      コメントありがとうございました。
      大いに納得しました。大助かりです。訂正しておきます。

  2. サトウケイコ より:

    コメントありがとうございます。
    ご解読、楽しく拝見させて頂きます。

  3. サトウケイコ より:

    今気が付きました。
    <嫡子、其子>→<嫡子、▲養子>
    が、正しいようです。
    解読文では、「養子」となっております。
    以上です。

    1. sokei より:

      サトウケイコ様
      ありがとうございました。訂正しておきました。

  4. サトウケイコ より:

    見て頂きありがとうございます。

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