古今集序 その3
くずし字解読
本文 頁3
し無こゝ呂・こと葉於不く、さ | しぶ心・言葉多く、さ |
満ゞに、な李尓計る。と不き處 | まざまに、なりにける。遠き所 |
裳、出多徒あし毛とよ里なり天 | も、出で立つ足下(あしもと)より始なりて |
年月越わ多理、高き山母、 | 年月を渡り、高き山も、 |
不毛と乃知里、ひ知よりな里天 | 麓の塵、泥(ひぢ)よりなりて |
あ馬雲堂奈飛くま轉 | 天雲棚引くまで |
於ひ能不連る古登久尓、 | 生ひ上れるごとくに、 |
こ能歌もかくのことく、奈流變 | この歌もかくのごとく、なるべ |
し | し。 |
大正三 甲寅 十二月 | 大正三 甲寅 十二月 |
七十二翁 廣川 | 七十二翁 廣川 |
一口メモ
上記の解説部分は、古今和歌集「仮名序」の解説を参考にさせて戴きました。
古今集「仮名序」の現代語訳
和歌は、人の心をもとにして、いろいろな言葉になった(ものである)。
世の中に行きている人は、関わり合う色々な事がたくさんあるので、心に思うことを、見るもの聞くものに託して、言葉に表わしているのである。(梅の)花で鳴く鶯、水にすむ河鹿の声を聞くと、この世に生を受けているもの全て、どれが歌を詠まないことがあろうか(、みな詠むのである)。
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力を入れないで天地(の神々)を感動させ、目に見えない鬼神をもしみじみとした思いにさせ、男女の仲を親しくさせ、勇猛な武士の心を和らげるのは、歌なのである。
この草書体の筆者は当家十二代の祖厚禅師(廣川)ですが、次回よりその従兄弟に当たる志方半兵衛軸人(門松)の作品350首を納めた「松の落葉」を順次掲載させて戴きます。