在勤拝領之品付(九代武久) その13
くずし字解読
天保7年十一月廿一日 | 天保7年(1836)11月21日 就君様(諦了院様の長女)から戴いた。 |
一 御茶 一箱 | 一 お茶、を一箱。 |
同年十二月朔日 | 天保7年(1836)12月1日 蓮性院様のご用を勤めたという事で、蓮性院様の御前で戴いた。 |
一 裏葵御紋附縮緬御小袖 一 | 一 裏葵の紋附で縮緬の小袖、を一つ。 |
同年十二月廿一日 | 天保7年(1836)12月21日 雅之進様の御前で古着を孫に着用のために、とのお考えで下された。 |
一 嶋(縞)縮緬振袖御小袖 一 | 一 縞の縮緬の振袖の小袖、を一つ。 |
一 地白かすり振袖御帷子 一 | 一 白地のかすり(絣=かすれたような部分を規則的に配した模様)で振袖の帷子、を一つ。 |
天保八年正月 | 天保8年(1837)1月 雅之進様から戴いた。 |
一 御烟草入 一組 | 一 たばこ入れ、を一組。 |
一 御盃 一 | 一 さかづき、を一つ。 |
一 御袂落 一組 | 一 袂落(たもとおとし=袂に入れる小物入れ袋)、を一組。 |
一 御鉢 一 | 一 お鉢、を一つ。 |
一 御小盃臺共 竹雀蒔絵 一 | 一 小さな台付きのさかづきで、竹と雀の蒔絵、を一つ。 |
一 御帯地 一筋 | 一 (博多)帯地、を一筋。(以下3品は蓮性院様から戴いた)。 |
一 御猪口 一 | 一 おちょこ、を一つ。 |
一 御袂落 一組 | 一 袂落し、を一組。 |
同年 六月十八日 | 天保8年(1837)6月18日 蓮性院様の御前で戴いた。 |
一 越後嶋(縞) 一反 | 一 越後縞、を一反。 |
一 晒 一反 | 一 晒(さらし=漂白した麻または綿の布)、を一反。 |
同年七月朔日 | 天保8年(1837)7月1日 嫡子様(雅之進様)のお届けのご用係を勤めたので、龍ノ口の上屋敷の御前で戴いた。 |
一 御紋附御上下 一具 | 一 紋附の裃を一揃い。 |
一 同御帷子 一 | 一 同じく紋付御帷子、を一つ。 |
同年同月四日 | 天保8年(1837)7月4日 嫡子様の届と縁組についても、最初の登城から骨を折り、心配りをしたので、内々に頂戴した。 |
一 五三桐御紋附薄継御上下 一具 | 一 五三桐の紋附で薄継の裃を一揃い。 |
一口メモ
諦了院様がお亡くなりになった後は、当家九代は天保7年4月には一橋御用掛を仰せ付けられ、一橋徳川家との交渉に当たりましたが、更に蓮性院様(熊本藩9代藩主斉樹公の正室)の引所詰(待機役)や雅之進様の御用についてもお世話をして、多忙であったようです。特に雅之進様の成長につれて、江戸幕府への届けや養育・縁組など重要な任務を任されていました。
従って、賜り物も蓮性院様や雅之進様からの品々が目立ちます。