在勤拝領之品付(九代武久) その12
同年三月廿六日 | 天保7年(1836)3月26日 諦了院様のお側の道具を戴いた。 |
一 桜御紋透シ御煙草盆 一品 | 一 桜の紋が入った透明の煙草盆、を一品。 |
一 鼻紙入 一 | 一 鼻紙入、を一つ。 |
一 御たばこ入きセる共ニ 一組 | 一 たばこ入れとキセル、を一組。 |
一 白銅御香合 一 | 一 白銅(ニッケル入り銅合金)の香合(こうごう=香を入れる小さな容器)、を一つ。 |
一 明倚雲山人筆御掛物 榮兎 一品 | 一 明倚雲山人の筆による掛物、但し榮兎の図、を一品。 |
諦了院様御筆之御画 天保七年四月十九日 | 天保7年(1836)4月19日 諦了院様の筆による画。 |
一 江ノ嶋之圖 一枚 | 一 江ノ島の図、を一枚。 |
天保七年四月廿二日 | 天保7年(1836)4月22日 諦了院様がお召しになった衣類を雅之進様へお譲りになったものを、雅之進様から戴いた。 |
一 松蓋菱御紋附縮緬綿入御羽織 一 | 一 松蓋菱の紋附で縮緬綿入の羽織、を一つ。 |
一 五三桐御紋附羽二重御袷 一 | 一 五三桐の紋附で羽二重の袷、を一つ。 |
一 桜菱御紋附縮緬袷御羽織 一 | 一 桜菱の紋附で縮緬袷の羽織、を一つ。 |
一 表桜御紋附縮緬御小袖 一 | 一 表桜の紋附で縮緬の小袖、を一つ。 |
一 八重桜御紋附段洞絽御肩衣 一 | 一 八重桜の紋附で段洞絽の肩衣(かたぎぬ=丈が短い袖なしの上着、を一つ。 |
同年六月十四日 | 天保7年(1836)6月14日 蓮性院様の御前にて戴いた。 |
一 裏葵御紋附嶋(縞)御帷子 一 | 一 裏葵の紋附で縞の帷子(かたびら=裏をつけない衣服)、を一つ。 |
一 縮白御下召 一 | 一 白い縮(ちじみ=表面に独特のしわがある布)の下着、を一つ。 |
同年十一月二日 | 天保7年(1836)11月2日 |
一 表桜御紋附御上下 一具 | 一 表桜の紋附の裃を一揃い。 |
一 同 縮緬御小袖 一 | 一 同じ表桜の紋附で縮緬(ちりめん=表面に細かいしわのある絹織物)の小袖、を一つ。 |
同年十月九日 | 天保7年(1836)10月9日 一松形尾張焼の鉢で蓮性院様が登城された折に拝領いただくとの連絡を戴いた。 |
一 冬玉梅 一鉢 | 一 冬玉梅、を一鉢。 |
同年十一月廿一日 | 天保7年(1836)11月21日 諦了院様の一周忌につき、太守様から戴いた。 |
一 御帯地 一筋 | 一 帯に仕立てる布地、を一筋。 |
一口メモ
この頁では、熊本藩第8代藩主、細川 斉茲公(ほそかわ なりしげ=浜町様、少将様、諦了院様)がお亡くなりになって1年以内の時期ですが、当家九代は諦了院様のお側に仕えていた関係で、諦了院様の遺品や身の回り品などを数々拝領しました。