在勤拝領之品付(九代武久) その11

熊本大学附属図書館所蔵 高見文書 #3012

くずし字解読

  一 舞楽繪      十枚一 舞楽の絵、を10枚。
  一 御盃 寶船蒔絵  一一 さかずき,但し宝船の蒔絵、を一つ。
  一 京千代紙     五枚一 京都で刷った千代紙、を5枚。
一 両国花火之繪     一枚一 両国の花火の絵、を1枚。
一 机          一脚一 机、を1セット。
一 御脇息        一脚一 脇息(きょうそく=肘掛け)、を1セット。
一 ひび焼御花入 紫檀臺唐字彫透    一一 ひび焼(陶磁器で、釉  に細かいひびの出るように焼く)の花入れ、但し紫檀の台で唐文字の透かし彫り、を一つ。
一 御長文箱 立木葉蒔絵   一品一 長い文箱(手紙などを入れておく手箱)、但し立木の葉の蒔絵、を一品。
一 御筆立  冨士之蒔絵   一品一 筆立て、但し冨士山の蒔絵、を一品。
一 御重箱 五重組若松之蒔絵 一品一 重箱、但し5重組で若松の蒔絵、を一品。
一 御ごさ          一枚一 ごさ、を一枚。
一 御ごさ御狩(?)     一一 狩用(?)のごさ、を一つ。
一 御かいまき  結片付   一一 かいまき(綿を薄く入れた袖付きの夜着)但し、結びひも付、を一つ。
一 御夜着    空色縮緬  一一 夜着、但し空色の縮緬、を一つ。
一 御ふとん   右同断   一一 ふとん、但し右と同じ、を一つ。
一 蒔黄どんす花葵紋切レ   一一 蒔黄色(?)のどんす(緞子=絹の綾織物)花葵が紋切レ(あやぎれ=はっきりしている)、を一つ。
一 御重箱入組御盃臺     一箱一 重箱が収納できる盃を置く台、を一箱。
右御長入組以上は長持ちに入っている品々です。
天保七年三月十六日天保7年(1836)3月16日 諦了院様の遺物を戴いた。
一 浮泉桜御紋附木綿御上張  一一 浮泉桜の紋附で、木綿の上っ張り、を一つ。
一 御紋附羽二重御小袖    一一 紋附で羽二重の小袖、を一つ。
一 松蓋菱御紋附羽二重御小袖 一一 松蓋菱の紋附で羽二重の小袖、を一つ。
一 八重桜御紋附笹形絽御単  一一 八重桜の紋附で笹形の絽の単、を一つ。
一 表桜御紋附風織縮緬御被風  一一 表桜の紋附で風織縮緬(緯に左右の強撚糸各二本ずつを織り、次に四本の平糸を織り込んだ、大きなしぼのあるもの)の被風、を一つ。
一 浮泉桜御紋附蘭形縮緬御単  一一 浮泉桜の紋附で蘭をかたどった縮緬の単、を一つ。

一口メモ

天保7年に諦了院様の着古しの御紋附衣装を戴いたとありますが、当家系図の九代の蘭には、頂戴した御紋附は全部で115品目が記録されています。細川家の定紋は九曜紋とされていますが、この九曜紋と特別に記載されていない御紋附を九曜紋と見なすと51品目で、替紋として桜(表桜ー10、葉桜ー8、八重桜ー7、浮泉桜ー5、桜ー2、桜菱ー2)34品目、桐(五三桐ー15、ニ桐ー5、三つ桐ー1)21品目、松蓋菱(まつかさひし)5品目、裏葵4品目でした。この外に引輛紋もありますが、これは頂戴しておりませんでした。

細川家の御紋につては、こちらの眞藤様のブログを参考にして下さい。

細川九曜
細川桜
五三桐
細川ニ桐
松蓋菱
裏葵
二つ引輛紋

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です