小袖・帷子拝領の覚(十代)
くずし字解読
安政六年未十二月廿一日 | 安政6年(1859年)未(ひつじ)年12月21日 |
御紋附羽二重御小袖一 | ご紋附の羽二重(撚りのない絹織物)で作られた小袖(袖口の小さく縫い詰まっている衣服 一つ |
越後縞御帷子一 | 越後縞模様の帷子(かたびら=裏をつけない衣服、ひとえもの) 一つ |
高見権右衛門 | 高見権右衛門 (高見権右衛門武棟) |
権右衛門儀兼々御用懸之処 | 権右衛門は兼々公務をこなしていたが、 |
致出精白金詰中者 | 良く働き、江戸の白金中屋敷に詰めている間は |
御奉養筋厚心を用 | 上様方に厚く心配りを用いて |
相勤承御内々候此御品々 | 勤務したので、内々にこの品々を |
被下置之 | 下された。 |
一口メモ
安政6年は十代高見権右衛門武棟は60歳になり、1月から一橋御用掛を命じられ、江戸城内にある一橋徳川屋敷へ詰めることになりました。この辺の働きを私的にねぎらったものと思われます。十代はこの2年後の万延2年(1861年)に病死しました。
上記の覚えは、息子である十ニ代の筆によると思われます。
尚、この文書の解読に当たりましては、Facebookのグループ「古文書が読みたい!」のメンバーの皆様のご協力を戴きました。ここに改めて御礼を申し上げます。