御建山御根帳
くずし字解読
御根帳 右 表紙
天保十四年 | てんぽうじゅうよねん | 天保14年(1843) |
山鹿郡山鹿手永小原村ニ而高見権右衛門様御建山御根帳 | やまがぐん、やまがてなが、おはらむらにて、たかみごんえもんさま、おたてやま、おんねちょう | 表題は、熊本県山鹿郡の山鹿手永の小原村で、高見権右衛門様の御建山の御根帳です。 |
卯正月 | う、しょうがつ | 1月の卯の日 |
御根帳 左 本文
塩井川下ケ名 一 御建山弐反 小原村 | しおいがわした、が、な。 いち、おたてやま、にたん おはらむら。 | おはらむらの塩井川下という名の 御建山 2反(20平方メートル) |
猫ノ火下ケ名 一 同三畝 同村 | ねこのびした、が、な。 いち、どう、さんせ どうむら。 | 同じく猫ノ火下という名の 御建山 3畝(3平方メートル) |
合弐反三畝 | ごう、にたんさんせ。 | 合計 2反3畝(23平方メートル) |
右者山鹿手永小原村ニ而高見権右衛門様 | みぎは、やまがてなが、おはらむらにて、たかみごんえもんさま、 | 右は、山鹿郡の小原村で、高見権右衛門樣 |
御建山畝数右之通ニ御座候為其御帳調上 | おたてやま、せすう、みぎのとおりに、ござそうろう、その、おしらべあげとして、 | の御建山の面積は右のとおりなので、その調査結果として、 |
申処如件 | もうすところ、くだんのごとし。 | お伝えすることに違いありません。 |
天保十四年卯正月 小原村庄屋 寿右衛門 | てんぽうじゅうよねん、う、しょうがつ | 天保14年1月卯の日。 小原むら庄屋 寿右衛門 |
高見権右衛門様 御役人衆中 | たかみごんえもんさま おやくにんしゅうちゅう | 高見権右衛門樣、関係役人の皆様 |
一口メモ
上記の御建山御根帳とは、細川藩の管理下にあった保護林の所有者の元帳・台帳の事です。前述の通り、小原村の次郎七が年貢の支払いに行き詰まり自分の原野を10代に売却したことにちなんで、土地台帳を書き改めたもので、いわば現代風に言えば登記簿謄本のようなもので、現物は和綴じ本でした。
尚、この文書の解読に当たりましては、Facebookのグループ「古文書が読みたい!」のメンバーの皆様のご協力を戴きました。ここに改めて御礼を申し上げます。