覚 山鹿手永小原村 その1

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3018

くずし字解読

御建山并地方證文入、山鹿手永、小原村おんたてやま、ならびに、じがたしょうもんいり、やまが、てなが、おはらむら藩有山林と、地方証文が入っている山鹿手長に属する小原村(封書上書)
おぼえ覚え書き。
猫ノ火畑数弐枚、五百六十八番ねこのひ、はたすう、にまい、ごひゃくろくじゅうはちばん猫ノ火にある畑の数二枚、568番地。
一、畑六歩、御郡方、野開いち、はたけろくぶ、おんぐんかた、のびらき一、畑の広さは六歩で、郡の管理による、入会山である。
運上銀壱分三厘弐毛うんじょう、ぎん、いちぶさんりんにもう税金は、銀、1分3厘2毛である。
此譲銭三百目この、じょうせん、さんびゃくめこの譲り受ける銭は300文である。
但年々粟壱俵宛相納可ただし、ねんねん、あわ、いっぴょうあて、あいおさめ(べし)但し、毎年粟1俵を納める
申候分(あいおさめ)もうし、そうろう、ぶん(納める)ように。
右之野開畑今度御買上被 仰付候ニ付みぎこれ、のびらきばた、このたび、おかいあげ、おおせつけられそうろうにつき右の野開の畑は、今度、買い上げを命じられるので
私家代吉三郎當之御括譲證文申受わたくし、けだい、きちさぶろう、あての、かつじょうしょうもん、もうしうけ家の代表である私、吉三郎への括譲證文を申し受け、
別紙差上置年々粟一田原宛無相べっし、さしあげおき、ねんねん、あわひとたわらあて、そう(い)なく別紙を差し上げ、毎年粟1俵ずつ、間違いなく、
違相収可申候為其一札差上置申候処い(なく)、あいおさめ、もうしそうろうべく、そのいっさつとして、さしあげおき、もうしそうろうところ、収めるべく、その証文として,差し上げようと、したことは、
如件くだんのごとしこのとおりです。
天保十四年卯正月、小原村御帳本、中原杢兵衛(花押)てんぽうじゅうよねん、う、しょうがつ、おはらむら、おんちょうもと天保14年卯年正月、小原村御根帳管理者、中原杢兵衛(花押)
高見権右衛門様たかみごんうえもん、さま十代高見権右衛門武棟樣
御役人衆中おやくにん、しゅうちゅうお役人の皆様

一口メモ

上記覚えは、年貢を払えなくなった山鹿郡小原村の吉三郎が、自分の畑を知行取附者の十代権右衛門武棟に対して売却することを命じられ、その確認と売却の条件が書かれたものです。

尚、この文書の解読に当たりましては、Facebookのグループ「古文書が読みたい!」のメンバーの皆様のご協力を戴きました。ここに改めて御礼を申し上げます。

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