御条目 御側取次 その3
くずし字解読
一 萬事倹約を守り油滑 | いち、ばんじ、けんやくをまもり、ゆかつ | 一、全ては倹約を守って、ずる賢く |
懦弱の風俗を戒め人別 | だじゃくの、ふうぞくを、いましめ、にんべつ | 気持ちに張りがないことをいましめ、人それぞれ |
心縣の厚薄材不材等平日 | こころがけの、こうはく、ざいふざい、とう、へいじつ | 心がけの程度、才能のあるなし、など常日頃 |
見聞し可相達事 | けんぶんし、あいたっすべきこと | 見たり聞いたりして上達すべきこと。 |
右條々堅可相守旨被 | みぎ、じょうじょう、かたく、あいまもるむね | 右の一つ一つの箇条を堅く守るべきことを |
仰出者也 | おおせださるる、ものなり | 命令されるものである。 |
奉行所 | ぶぎょうしょ | 奉行所 |
一口メモ
上記の御条目は、当家の十代が文政12年(1829)8月27日、初めて江戸詰めでの白金中屋敷の近習の役職が仰せ付けられ、10月10日に着任しました。4年後の天保4年4月14日に近習方の務めは当分の間外され、白金中屋敷のお側取頭として勤めるよう命じられましたが、この時に発給されたものと思われます(当時34歳)。この時の養父九代の喜びようは大変なもので、そのいきさつは系図九代に朱書きまでされています。
尚、この文書の解読に当たりましては、Facebookのグループ「古文書が読みたい!」のメンバーの皆様のご協力を戴きました。ここに改めて御礼を申し上げます。