達書写(若殿様御入国御供調べ仰付)
くずし字解読
此書多少直し置候様 | このしょ、たしょう、なおしおき、そうろよう | この達書は多少手直しをして、清書をしておくように。 |
嘉永五年子十月九日 | かえい、ごねん、ね、じゅうがつ、ここのか | 1852年(子年)10月9日に通達があった。 |
左之通 | ひだりの、とおり | 次のとおりである。 |
一 其方儀明年 | ひとつ、そのほうぎ、みょうねん | 一、あなたは来年 |
若殿様御入國之 | わかとのさま、ごにゅうこくの | 若殿様(熊本藩十代斎護公の長男雅之進樣)が熊本に帰国される折の |
御供志らへ被 | おともしらべ、ひ | お供に関係する調査を |
仰付旨被 | おおせつけ、らる、むね | するよう命じられることを |
仰出事 | おおせいだされ、そうろう | 御命令があった。 |
右之通朽木内匠方 | みぎのとおり、くちき、たくみ、かた | この通り、朽木家九代 多仲・昭吉(内匠)(大目付・中老)から |
被仰渡候事 | おおせ、わたされ、そうろうこと | 通達があります。 |
一口メモ
達書(たっしがき)とは、上司からの通達書で、上記の例では予め通達があることを知らされ、この内容を記録しておいたようです。
お達しを受けたのは当家十代の高見権右衛門武棟で、系図には実際に翌年の4月11日に江戸を出発、5月16日に熊本に帰国された若殿様のお供をした記録が残されています。当時は、大変多忙だったようですので,上記のような乱筆で書かれたものと推測されます。
この文字の解読は、相当のベテランで無ければ読み切れないと思われますが、幸いFacebook「古文書が読みたい!」のメンバーの方々のご協力を得ることができました。