十代 高見権右衛門武棟 (8)

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #1001

被召加座席今迄之通ニ被 仰付品々御役数年出精相勤於江戸者御側備等之

調主ニ成格別心配出精致候ニ付御紋付縮緬袷御羽織一被下置候同三年正月

十一日御小姓頭被 仰付候當春出府被 仰付候同二月十八日御発駕御同日御國元出立

仕同三月廿六日江戸へ着仕候同年十二月来年御帰國之御供調被 仰付候同

四年二月七日當春御帰國之御供被 仰付候同四月御供ニ而江戸表出立同五月廿六日

御國許へ着同閏五月三日座席持懸ニ而御用人被 仰付候同年九月十七日旧冬 中将

御拝任ニ付御祝御能被 仰付右御用懸り被 仰付候同十一月五日右御用懸相勤候ニ付

くずし字解読

出精相勤於江戸者御側備等之(しゅっせい、あいつとめ、えどにおいては、おそばそなえ、とうの)。精を出し勤務し、江戸においては、お側備えなどの。

調主ニ成格別心配出精致候ニ付(しらべおもになし、かくべつこころくばり、しゅっせいいたし、そうろうにつき)。お側備えなどの調査を主に行い、格別な配慮をして精勤したので。

御小姓頭被 仰付候當春出府被 仰付候(おんこしょうがしらを、おおせつけられ、とうはる、しゅっぷ、おおせつけられそうろう)。小姓頭を命じられ、この春には江戸に出向くことを命じられた。

来年御帰國之御供調被 仰付候(らいねん、ごきこくの、おともしらべを、おおせつけられ、そうろう)。来年にはお殿様が熊本に帰国されるのに伴い、そのお供調べを命じられた。

當春御帰國之御供被 仰付候(とうはる、ごきこくの、おともを、おおせつけられ、そうろう)。(お殿様が)この春に帰国されるのに伴い、お供をするよう命じられた。

座席持懸ニ而御用人被 仰付(ざせき、もちがけにて、ごようにんを、おおせつけられ、そうろう)。座席(地位)は兼任ということで、御用人を命じられた。

御拝任ニ付御祝御能被 仰付右御用懸り被 仰付(ごはいにん、につき、おいわい、ごのうを、おおせつけられ、みぎ、ごようがかり、おおせつけられ、そうろう)。(少将様)が中将に昇進されたので、そのお祝いとして能を舞うことになり、そのご用係を命じられた。

十代 高見権右衛門武棟 (9) に続く

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