光尚君御家譜抜書 45
之事故焼香をも不被 仰付爰尓於ゐていよいよ面目を
失ひ思ひ定メ帝申談取罷り候哉又権兵衛被誅候事
三回御忌御追善迄ハ差延於可連二月十七日御取超之
御法會済候而被誅夫を奉恨弟共直ニ取罷り候儀
同廿一日御誅抜被 仰付候可委細之儀雑分候
くずし字解読
爰尓於ゐていよいよ面目を(ここにおいて、いよいよ、めんもくを)。ここに至って、益々面目を(失ひ)。
失ひ思ひ定メ帝申談(うしない、おもひさだめて、もうしだんず)。(面目を)失ってしまい、思いを決めて申し上げて相談する。
三回御忌御追善迄ハ差延於可連(さんかい、おんき、ごついぜんまでは、さしのべおかれ)。三回忌の御追善までは、そのままにされて。
弟共直ニ取以罷り候儀(おとうとども、ただちに、とりもって、まかりそうろうぎ)。弟達は直ちにこぞって行動を共にした事に関して。
被 仰付候可委細之儀雑分候(おおせつけられ、そうろうが、いさいのぎ、ぞうぶんそうろう)。(2月22日には誅伐を)仰せつけられたが、詳しい事情は色々の説があるようだ。
一口メモ
皆様のお助けを得ながら、ようやく「光尚君御家譜抜書」のくずし字解読の最終ページにたどり着けました。長きにわたり、お付き合い頂きありがとうございました。皆様のくずし字解読力が大いに備わったものと思います。
次回からは、がらりと様相を変えて漢詩や和歌にチャレンジしてゆこうと思います。更に、書画にも触れ、国文学のさわりの部分の世界にも注目したく思いますので、引き続き是非ご愛読の程を宜しくお願い致します。