光尚君御家譜抜書 39
被 仰付候処栖本又七郎精を出し首尾よく仕廻骨折
申候段具ニ被 聞召上候御直ニ右之段可被遊御意之儀共
御家老中江以先被仰渡旨米田監物申渡候是者
又七郎手疵未タ平癒世佐る内之よし申傳も有之候との
説阿り又高見権右衛門ハ折節當番ニ而候を直ニ被差向候
満多 光尚君その日水前寺衣御出被成候可火ノ手
揚り候を御覧被成高見可仕於ふ世堂る事を御存ニ而
くずし字解読
首尾よく仕廻骨折(しゅびよく、しまい、ほねおり)。うまい具合に、すっかりかたをつけ、大いに苦労して。
申候段具ニ被 聞召上候(もうしそうろうだん、つぶさに、きき、めしあげられそうろう)。申し上げたところ、詳しくお聞きになられた。
御家老中江以先被仰渡旨(ごかろうじゅうへ、さきをもって、おおせわたさられるむね)。家老達へあらかじめ、おっしゃられる旨を。
手疵未タ平癒世佐る内之よし(てきず、いまだ、へいゆせざる、うち、これよし)。手の傷が未だに治っていないうちに、都合良く。
折節當番ニ而候を(おりふし、とうばん、にてそうろうを)。その時、当直の当番であったのを。
満多 光尚君その日水前寺衣(また、みつなおぎみ、そのひ、すいぜんじえ)。又、細川光尚公は、その日は水前寺に。
揚り候を御覧被成高見可(あがりそうろうを、ごらんなされ、たかみが)。(火の手が)上がっているのをご覧になり、高見が(火を付けたのだなと)。