光尚君御家譜抜書 32

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3008

阿部弥五兵衛下知を奈して臺所之前に有又七郎言葉を

可希弥五兵衛日頃手練之鑓を見堂し我等見置シ越

見る歟ト云希連ハ弥吾兵衛云ニや及ふト答互ニ恥し免帝

突合ニ又七郎可鑓胸板ニ當り候得ハ弥吾兵衛鑓を捨引退候を

臆病也楚こを引奈と又七郎聲を掛希連ハ逃ハ世ぬそ

腹を切と言捨帝内ニ入る其時弟七之允又七郎ニ渡合

暫く鑓合ニ又七郎高股を志たた可ニ突連働奈らす

くずし字解読

下知を奈して臺所之前に有(げちを、なして、だいどころの、まえにあり)。指図をして台所の前におり。

鑓を見堂し我等見置シ越(やりを、みたし、われら、みすえしを)。槍を見たいものだ、私がじっと見つめるのを。

云ニや及ふト答互ニ恥し免帝(いうには、およぶと、こたえ、たがいに、はじ、しめて)。承知したと答え、お互いに欠点を補って。










 突合ニ又七郎可鑓胸板ニ當り候得ハ(つきあうに、またしちろうが、やり、むないたに、あたりそうらえば)。突き合っているうちに、又七郎の槍が胸板に当たったので。

又七郎聲を掛希連ハ逃ハ世ぬそ(またしちろう、こえを、かければ、にげはせぬぞ)。又七郎が声をかけると、逃げるのではない。

腹を切と言捨帝内ニ入る(はらを、きると、いいすてて、うちに、いる)。自害すると言い放って家の中に入る。

高股を志たた可ニ突連働奈らす(たかももを、したたかに、つかれ、はたらきならず)。足のももの上部を激しく突かれ、働くことができなかった。

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