光尚君御家譜抜書 30
御仁躰之取次ニ而去ル御歴々尓御所望也三原正盛之刀
行衛不知此刀ニ而者我説奇怪之咄し多し竹内数馬ニ
立花飛州給りし感状ハ数馬渡辺新弥仲光小内膳
三人連名也ト云々
高見権右衛門茂千場作兵衛等と共ニ相図之刻限裏門乃
方へ向希るニ竹内者兼て討死トおもひ定メ刻限より毛
者やく押寄候得ハ高見後レ堂りと者や川帝打破里
くずし字解読
御仁躰之取次ニ而去ル御歴々尓(ごじんてい、の、とりつぎにて、さる、おれきれきに)。品位のあるお方の取り次ぎで、さる立派な人達に。
行衛不知此刀ニ而者我説(ゆくゑ、しらぬ、このかたな、にては、がせつ)。行方が判らなくなったこの刀については、独りよがりの説(や奇怪な話が)。
立花飛州給りし感状ハ(たちばな、ひしゅう、たまわりし、かんじょうは)。立花飛州(立花宗茂)から賜った賞状は。
三人連名也ト云々(さんにん、れんめい、うんぬん)。3人連名であったとか。
相図之刻限裏門乃(あいずの、こくげん、うらもんの)。合図の時間に裏門の(方へ)。
兼て討死トおもひ定メ(かねて、うちじにと、おもいさだめ)。かねてより討死しなければいけないとの思いを持っていたので。
後レ堂りと者や川帝打破里(おくれたり、と、はやって、うちやぶり)。遅れてしまったと、勇みたって。