光尚君御家譜抜書 24
水攻之時奈とも働有之秀吉公ゟ白練ニ朱之丸の
陣羽織拝領ス初メ小西摂津守行長ニ仕え帝居堂り朝鮮
尓ても武功有和平之時毛行長ゟ之人質とし天朝鮮尓
三ケ年居多候此時金銀の膳椀なとも国守ゟ給者里
その外宝物奈ともらひ堂りし可御家へ被召出御入國
以後手取於屋敷類焼ス是より前小西氏滅亡之後清正尓
本知千石ニて出勤世し可とも吉兵衛心尓不叶事阿り天
くずし字解読
秀吉公ゟ白練ニ朱之丸の(ひでよしこう、より、しろねりに、しゅの、まるの)。秀吉公から、白い練り絹の地に朱色の丸印の。
初メ小西摂津守行長ニ仕え帝(はじめ、こにし、せっつのかみ、ゆきながに、つかえて)。
和平之時毛行長ゟ之人質とし天(わへい、のときも、ゆきなが、より、これ、ひとじち、として)。戦いが終わった時は,行長が、人質となって。
金銀の膳椀なとも国守ゟ給者里(きんぎんの、ぜん、わん、なども、こくしゅ、より、たまはり)。金銀のお膳やお椀なども、国の長官から戴き。
宝物奈ともらひ堂りし可(ほうもつ、など、もらひ、たりしが)。宝物などを戴いたけれども。
以後手取於屋敷類焼ス(いご、てどりにて、やしき、るいしょう、す)。その後、自ら調達した屋敷が類焼した。
本知千石ニて出勤世し可とも(ほんち、せんごく、にて、しゅっきん、せしべし、とも)。知行千石の領地を与える条件で働くように、とのことであったが。