光尚君御家譜抜書 16
今度討死を極堂る意レ趣者数馬者
忠利君ノ御近習ニ而甚御意ニ入又林外記ハ當御代無レ双ヒ
御出頭尓し帝大御目附役被 仰付置大小と奈く御政
道筋ニ茂口入致し候然処いか奈る故ニや数馬とハ大尓
不和也今度阿部討手之者御参談之席ニ而外記申候ハ
竹内数馬者先御代御取立之者ニ而御厚恩身ニ餘堂連ハ
加様之時御恩を報世んニこそと申希るより数馬ニ極り高見も
くずし字解読
討死を極堂(た)る意レ趣者( うちじにを、きわめたる、しゅい、は)。
林外記ハ當御代無レ双ヒ(はやし、げきは、とう、おんだい、ならびなく)。 「ならびなく」とは、「比類なく優れている」という意。
御出頭尓し帝大御目附役(おん、しゅっとう、にして、おお、おんめつけやく) 。
「出頭」=寵愛を受けて出世すること。
然処いか奈る故ニや(しかるところ、いかなる、ゆえ、にや)。 ところが、どういうわけか。
御参談之席ニ而(ごさんだん、の、せきにて)。打ち合わせの席で。
御厚恩身ニ餘堂連ハ(おん、こうおん、みに、あまりたれば) 。厚い恩が身に過ぎるほどであれば。
報世んニこそと申希るより(むくい、せんに、こそと、もうしける、より)。
(ご恩に)報いなければならないと、発言した事により。