光尚君御家譜抜書 11
夜者一族之男女打寄㝡期之酒宴を初囃子を催し
数刻ニ及帝足手満とひ奈る妻子を刺殺し屋敷内ニ
穴を掘り死骸を一所ニ埋夫ゟ兄弟四人并恩顧之
郎等共集リ帝鉦皷を奈らし高念佛を唱衣帝
夜を明し候権兵衛知行共ニハ弐千石ニ近ク其上一所ニ居候故
人数茂多可り鳧と也竹内数馬者未明ゟ押歩門前ニ而
馬乗放し表門を押破ら世鑓提帝其先に入るニ敵
くずし字解読
㝡(最)期之酒宴を初囃子を催し(さいごの、しゅえんを、はやしを、もよおし)。最後の酒宴をお囃子を交えて。
足手満とひ奈る妻子を(あして、まといなる、さいしを)。足手まといとなる妻子を。満(ま)、奈(な)
夫ゟ兄弟四人并恩顧之(そ、より、きょうだい、よにん、ならびに、おんこ、これ)。それより、兄弟四人と、恩顧のあるこの。
鉦皷を奈らし高念佛を唱衣帝(しょうこを、ならし、こう、ねんぶつを、となえて)。鐘太鼓をならし、高々と念仏を唱えて。奈(な)、唱(とな)、衣(え)、帝(て)
知行共ニハ弐千石ニ近ク其上(ちぎょう、ともには、にせんごく、ちかく、そのうえ)。知行は合計2千石近く、そのうえに。
人数茂多可り鳧と也(にんずうも、おおかりけり、と、なり)。人数も多かったので。鳧は「けり」の当て字で、字そのものは鳥のケリの意。
馬乗放し表門を押破ら世(うま、のりはなし、おもてもんを、おし、やぶらせ)。馬を乗り捨て、表の門を押し破らせて。世(せ)