光尚君御家譜抜書 9

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3008

踏潰春偏しと也

  考ニ千場可家記ニ千場作兵衛ハ竹内可副頭ニ而此時数ケ所手を負

  候と有左候得ハ添嶋九兵衛竹内可討死を見帝本組頭之先途を

  見届帝名乘帝斬死せしと云ニ相違ト見へ申候重帝可考

扨近隣之輩者當番堂り共在宿して銘々屋敷相守り

火災を戒御下知奈支ニ猥ニ彼ノ屋敷ニ入らす落人等無之

様心を可付旨被 仰出都而見物とし帝参る者を被禁

出田宮内少松山権兵衛者警固被 仰付組を引連前夜ゟ

くずし字解読

踏潰春偏しと也(ふみつぶす、べしと、なり)。踏み込んで潰すべきである。春(す)、偏(へ)いずれも、変体仮名です。

考ニ千場可家記ニ千場作兵衛ハ(かんがえるに、せんばが、かきに、せんばさくべえは)。考えてみると、千場が、家記には、千場作兵衛とあるが、この千場は。 考ニ以下の3行は注釈文です。

竹内可討死を見帝本組頭之先途を(たけうちが、うちじにを、みて、ほん、くみがしらの、せんどを)。竹内が討ち死するのをみて、この組頭の死を。

見届帝名乘帝斬死せしと云ニ(みとどけて、なのりて、ざんしせし、と、いふに)。見届けて、自ら名乗りを上げて切られて死んだと言うが。

扨近隣之輩者當番堂り共(さて、きんりんの、やからは、とうばん、たりとも)。話は変わって、近隣の仲間はたとえ当番であっても。者(は)、堂(た)は頻出です。

在宿して銘々屋敷相守り(ざいしゅく、して、めいめい、やしき、あいまもり)。屋敷に寝泊まりし、めいめいがその屋敷を守って。

猥ニ彼ノ屋敷ニ入らす(みだらに、かの、やしきに、はいらず)。不用心にその屋敷には、入らないで。

見物とし帝参る者を(けんぶつ、として、まいるものを)。見物に来る人々を。

被 仰付組を引連前夜ゟ(おおせつけ、られ、くみを、ひきつれ、ぜんやより)。(警護を)命じられ、一団を引き連れて、前日の晩から。

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