光尚君御家譜抜書 8
追々彼ノ屋敷之躰を窺ひ覚悟を極免し登聞衣静り
加衣川帝居候段委細言上仕候
光尚君御氣色悪敷急度御誅伐可被成加迚討手之
面々被 仰付先表門ハ御側御鉄炮三拾挺頭竹内数馬
長政<知行千百石>副頭添嶋九(久)兵衛<百石一ニ九郎兵衛>
野村庄兵衛<百石後拾石御加増>裏門者
高見権右衛門重政<御役竹内同前五百石後七百石>副頭千場作兵衛<百石一ニ後五拾石御加増ト有誤之>
御目附畑十太夫<一ニ秦>其外茂有之二月二十一日阿部屋敷を
くずし字解読
追々彼ノ屋敷之躰を窺ひ(おいおい、かの、やしきの、ていを、うかがい)。時間が経つにつれてその屋敷の様子をうかがい。
加衣川帝居候段(かえって、きょ、そうろうだん)。反対に落ち着いて住んでいるということを(細かく申し上げた)。加(か)、衣(え)、川(つ)、帝(て)。まとめて覚えてしまいましょう。
御誅伐可被成加迚討手之(おん、ちゅうばつ、くわえなさる、べし、とても、うって、これ)。どうしても責め討つことをすべきと、討手の(面々に)。
御側御鉄炮三拾挺頭(おそば、てっぽう、さんじゅっちょう、かしら)。側周りの鉄炮三十挺頭。
副頭添島九(久)兵衛<百石一ニ九郎兵衛>(そえがしら、そえじま、きゅうべえ<ひゃっこく、いちに、くろうべえ>)。服頭の副島久兵衛<知行百石で一説では九郎兵衛。
副頭千場作兵衛<百石一ニ後五拾石御加増ト有誤之>(そえがしら、せんばさくべえ、<ひゃっこく、いちに、ごじゅっこく、かぞうと、あり、これ、あやまり)。
御目附畑十太夫<一ニ秦>(おん、めつけ、はたじゅうだゆう、<いちに、はた)。御目付(監察官)の畑十大夫<一説では秦十大夫>。
注) 人名は、往々にして当て字が多く見受けられます。