光尚君御家譜抜書 6

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3008

ことく白昼ニ縛首を刎ら連御情奈支御仕置の上ハ

堂とひ我々此満ヽ被差置候而茂本家の一跡縛り

首を討置何の面目ニ忠勤を励ミ朋友ニ於つてを

向遍支奈連ハ兄弟一所ニ討手を待帝潔く頓死し

去年以来の鬱憤を散し候王んと諾し覚悟致

極メ権兵衛屋敷ニ取以籠り候

  一説ニ弥一右衛門御追腹之刻些ト於く連壽る事阿里て

  津崎五助可跡ニ津支よし其子是を口惜く於もひ

くずし字解読

御情奈支御仕置の上ハ(おなさけ、なき、おしおきの、うえは)。お情けがない仕置きであれば。

堂とひ我々此満ヽ被差置候而茂(たとひ、われわれ、このまま、さしおかれ、そうろうても)。たとえ我々がこのまま放っておかれても。

忠勤を励ミ朋友ニ於つてを(ちゅうきんを、はげみ、ほうゆうに、おってを)。忠勤を励んで同門の仲間に追手を。

向遍支奈連ハ(むくべきなれば)。向けるのであれば。

鬱憤を散し候王んと(うっぷんを、ばらし、そうらわんと)。鬱憤をはらそうと。

屋敷ニ取以籠り候(やしきに、とりもって、こもり、そうろう)。屋敷に籠った。

些ト於く連壽る事阿里て(ちと、おくれする、ことありて)。少々気後れすることがあって。

ここに出てくる変体仮名は次の通りです。連(れ)、奈(な)、支(き)、堂(た)、満(ま)、於(お)、遍(へ)、帝(て)、王(わ)、阿(あ)、里(り)。

しっかりと形を憶えましょう。文字の画像を拡大して、運筆(ふでの運び方)をたどってみてください。

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