光尚君御家譜抜書 6
ことく白昼ニ縛首を刎ら連御情奈支御仕置の上ハ
堂とひ我々此満ヽ被差置候而茂本家の一跡縛り
首を討置何の面目ニ忠勤を励ミ朋友ニ於つてを
向遍支奈連ハ兄弟一所ニ討手を待帝潔く頓死し
去年以来の鬱憤を散し候王んと諾し覚悟致
極メ権兵衛屋敷ニ取以籠り候
一説ニ弥一右衛門御追腹之刻些ト於く連壽る事阿里て
津崎五助可跡ニ津支よし其子是を口惜く於もひ
くずし字解読
御情奈支御仕置の上ハ(おなさけ、なき、おしおきの、うえは)。お情けがない仕置きであれば。
堂とひ我々此満ヽ被差置候而茂(たとひ、われわれ、このまま、さしおかれ、そうろうても)。たとえ我々がこのまま放っておかれても。
忠勤を励ミ朋友ニ於つてを(ちゅうきんを、はげみ、ほうゆうに、おってを)。忠勤を励んで同門の仲間に追手を。
向遍支奈連ハ(むくべきなれば)。向けるのであれば。
鬱憤を散し候王んと(うっぷんを、ばらし、そうらわんと)。鬱憤をはらそうと。
屋敷ニ取以籠り候(やしきに、とりもって、こもり、そうろう)。屋敷に籠った。
些ト於く連壽る事阿里て(ちと、おくれする、ことありて)。少々気後れすることがあって。
ここに出てくる変体仮名は次の通りです。連(れ)、奈(な)、支(き)、堂(た)、満(ま)、於(お)、遍(へ)、帝(て)、王(わ)、阿(あ)、里(り)。
しっかりと形を憶えましょう。文字の画像を拡大して、運筆(ふでの運び方)をたどってみてください。