光尚君御家譜抜書 4

熊本大学附属図書館所蔵 高見家文書 #3008

仰付残る弟共茂いたく可申様なく思入帝門戸を閉権兵衛

御仕置之筋如得可被 仰付哉と何やふも罷在妻子兄弟共

密ニ天祐和尚ニたよ里権兵衛述懐之佯り上之御外聞

甚敷御仕置筋難汁候偏御恵ミ奉願候段嘆キ鳧ハ

和尚茂黙止かたく君命尓かかる事阿らハ助命之願を

い多し弟子共なすべき登受合其事と奈く滞留し

折を以可申上と窺れ候得共 光尚君是を御暁(あかつき)ニ

くずし字解読

いたく可申様なく思入帝(いたく、もうすべくさまなく、おもい、いれて)。甚だ言うべきこともないと思って。

御仕置之筋如得可被 仰付哉と(おしおきのすじ、いかに、おおせつけ、らるべく、やと)。刑罰を科す担当がどのような命令を受けるべきかを。

述懐之佯り上之御外聞(じゅっかいの、いつわりじょう、これ、ごがいぶん)。(権兵衛が)心境を偽って述べることは世間体(を強く意識してのことで)

偏御恵ミ奉願候段嘆キ鳧ハ(かたほ、おめぐみ、ねがいたてまつり、そうろうだん、なげきけるは)。不十分なお恵みをお願いすることは嘆かわしいと(和尚も黙っておられず)。「鳧」は鳥のケリで、「ける」の当て字と思われます。

命尓かかる事阿らハ(いのちに、かかること、あらば)。命にかかわる事があれば(助命の願いを)。

奈壽べ支登受合其事と奈く滞留し(なすべきと、うけあい、それ、こととなく、たいりゅうし)。(助命のの願いを)しようと請け合ったが、何となく進まずに。奈(な)、壽(す)、支(き)、登(と)は一ずれも頻繁に出てくる変体仮名です。

折を以可申上と窺れ候得共(おりをもって、もうしあげるべしと、のぞかれ、そうらえども)。折を見て(光尚君に)申し上げようと様子をうかがっていたが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です