御書出について
初代和田勝五郎重治の逝去に伴い、細川忠興公(三齊様)から賜った
九曜の御紋入り御書出2個(55X20X15cm、50X18X5cm)
本革製の表には九曜の御紋と三齊公自筆の「御書出 高見氏」とある。
本品は高見家で最も大事にされていた家宝ともいうべきもので、「これが紛失・焼失などしたらお家断絶となる」という言い伝えが残されている。
大きい方には背負子のように革製の背負縄が取り付けられている。
熊本大学リポジトリ 近世細川家における「御書出」の交付について
「御書出」とは、普通知行宛行状とか判物と呼ばれているもので、細川家では正式に御書出(おかきだし)と呼んでいる。
家臣の家に伝えられた御書出は、藩士にとっては家格そのものであり、 桐の箱に収められた御書出はさらに革製のケースに保管されたりしている。
知行の御書出は藩主の交代時には新しい御書出を拝領するために提出することが求められた。
新しい知行の御書出には前の御書出交付以後の加増または減知が書き込まれるのではあるが、前代のものを参考にして作成される。
家格を維持するためには前代の御書出を保存しておくことが必要であった。
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