古文書の筆跡について
くずし字の難しさは、書いた人によって書体が異なり、同一人物であっても、その時の気分で筆跡が変わってしまうことにある。
幸いにして系図そのものは、九代の権右衛門武久によって書かれた文章であったため、慣れ親しむことができた。更に本人は天保11年御歳42歳の折に、御書出の御用掛を仰せ付けられるほど端正な文字を書き、折しも天保11年は熊本藩主十代の細川齋護公への代替わりの折で、知行宛行状その他の公文書の代書の仕事は大変な量であったと推測される。
問題は十代の筆跡である。くせ字が多く未だに解読できず困っている。どなたか、解読していただけないかと思っているほど難しい。
古文書との取り組みはまず、同一人物による筆跡を解読するに限る。
ちなみに、この写真は右が九代、左が十代の筆跡でその差は歴然としている。