大目付（おおめつけ）は、江戸幕府及び諸藩の役職の一つ。古くは惣目付（そうめつけ）、大監察（だいかんさつ）とも呼ばれた。

江戸幕府

江戸幕府では職制上は老中の下に属し、大名・高家および朝廷を監視して、これらの謀反から幕府を守る監察官の役割を持った。 江戸時代初期には柳生宗矩のような大名からも選ばれていたが、後に石高3千石から5千石級の旗本の中から選ばるようになった。

大目付は、旗本の職の中でも江戸城留守居・御三卿家老に準ずる最高位とされた。そして、旗本でありながら万石級（大名）を監視することから、その在任中は万石級の格式を与えられ、「○○守」の官位が叙任された。

江戸時代中期になると、従来の監察官としての色彩よりも伝令（幕府の命令を全国の大名に伝える役）や殿中（江戸城中）での儀礼官としての色彩が濃くなる

。また、兼帯といって道中奉行・宗門改役・鉄砲改役など5つの役を兼任した。定員は5名。

道中奉行を兼帯する大目付は、5人の中では筆頭格である。また、京都所司代・大坂城代等と同様に将軍を代理する立場にある。若年寄に属する目付の上位に位置し、その権威だけはますます強くなった。

諸藩の場合

会津若松藩や大垣藩、米沢藩など、諸藩にもこれらの役職を置く藩が存在した。また柳河藩では、一時置かれたものの、専横を振るったので廃止になっている。

会津若松藩では2名、大垣藩では5から8名置かれており、人数は藩や時代により様々であった。 中老・番頭・組頭より格下の藩士から選ばれる藩もあれば、会津若松藩のように家老、若年寄、奉行に継ぐ重職で、家老候補である藩も存在するように、藩によって同じ役職名でも位置づけが異なっていた。