祖厚禅師辞世(丙辰元旦

祖厚禅師は、大正6年9月30日午前2時45分に、長崎県南高来郡島原村魁で亡くなりました(享年75歳)。

上記の画像は、当時の辞世の和歌と漢詩です。

内容は次の通りです。

右 和歌の部

帰るなり みつる小蝶の 夢さめて

地水火風の もとの住家に

京都の大徳寺高桐院から、隠遁生活を終えて帰ってきた、やつれた弱々しい蝶は、夢から目覚めて、地水火風を本質とした昔の生活を取り戻した。

左 漢詩の部

道人身世興雲閎出岫無心

只任風長壽百年何是顧

煙消火滅夢還空

   髙林泉 印

仏道修行をしている人は、その経歴を興し、雲が自然に山の峰から湧き出ているように、悠々自適の生活を送る。ただ風に身を任せ百年もの長生きで何を顧みると言うのか、煙は火を消し、夢は空にただ還るのみ。

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