掛軸 竹添光鴻筆 録寒山詩

熊本大学附属図書館 高見家文書 #4002

 

上記掛軸の筆者である竹添光鴻は、祖厚禅師の一歳年上の漢学者です。

本名は竹添 進一郎(たけぞえ しんいちろう、1842年4月25日〈天保13年3月15日〉- 1917年〈大正6年〉3月31日)は、日本の外交官、漢学者。

名は漸、字は光鴻(こうこう、みつあき)、号は井井(せいせい)と称した。

甲申政変時の朝鮮弁理公使であり、後に漢学者として活躍した。

日本学士院賞受賞。熊本県近代文化功労者。

漢詩の読み下しはつぎの通りに思われます。

我見出家人  我出家の人を見るに、

不入出家學  出家の學に不入らず。

欲知真出家  真の出家を知らんと欲せば、

心浄無繩索  心浄(きよ)うして繩索(じょうさく)無し。

澄々絶玄妙  澄々として玄妙を絶し、

如如無倚  如如にして倚托(いたく)

三界任縱横 三界縦横に任(まか)せ、

四生不可泊  四生泊(とどま)る可からず。

無為無事人  無為無事の人、

逍遙實快樂  逍遙(しょうよう=散歩)として實(まこと)に快樂なり。

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